見沼田圃の遊水機能
昭和33年9月の台風22号(狩野川台風)により、見沼田圃全域にわたって湛水するとともに下流地域の川口市市街地の大半が浸水するという大きな被害が発生しました。
この時、見沼田圃の湛水量は約1,000万立方メートルと言われ、その遊水機能が大きな注目を浴びるようになり、昭和40年に見沼田圃の宅地化は原則として認めないとする見沼田圃農地転用方針、いわゆる『見沼三原則』が制定され、主に治水上の観点から開発抑制策が行なわれるようになりました。
狩野川台風(昭和33年9月27日撮影)川口市領家 提供:埼玉新聞社
狩野川台風(昭和33年9月27日撮影)川口市本町通り 提供:埼玉新聞社
自然環境及び文化遺産
見沼田圃は首都近郊に残された数少ない大規模緑地空間であり、豊かな自然が残された地域です。見沼田圃周辺の斜面林や屋敷林などの樹林帯、見沼代用水や芝川などの水路は、身近な自然として多くの方に親しまれています。
見沼田圃地域ではこれまでに、多く種類の鳥などが観察されており、県南地域における有数の野鳥の宝庫として貴重な自然教育の場ともなっています。
見沼田圃や周辺台地には、氷川神社、氷川女体神社、国昌寺などの社寺や見沼通船掘、寿能城跡などの多くの遺跡があります。
見沼ともに氷川神社を男体社、中山神社を王子社、氷川女体神社を女体社として一体のものを形成しているという説もあります。
見沼田圃には、見沼に関連して竜神伝説と呼ばれる数多くの説話や伝承が伝えられています。また最近では、鷲神社の獅子舞などの伝統行事のほかに「見沼竜神まつり」などが行われています。